【イベント告知】「人災」の記憶を伝える/8月27日~9月1日、千葉で企画展
広告
関東大震災時の朝鮮人虐殺から今年で101年。千葉県では在日朝鮮人のアーティストらを中心に昨年9月、「百美+(ひゃくび)」を発足した。正式名称は、「関東大震災朝鮮人虐殺から100年を迎えて千葉県の美術シーンを再考しそのあり方を模索するプロジェクト」。朝・日のアーティストや市民らが集まり活動を続けてきた。
その集大成として、企画展「〈101・人〉関東大震災から101年―人災の記憶を未来に伝える―」を8月27日から9月1日にかけて、千葉市美術館 (市民ギャラリー1.2)で開催する。
「百美+」では、今回の展示を次のように位置付けている。
今回の展示タイトル「101・人」は、2023年8・9月にとある県立の公的施設で開催されたトピックス展「関東大震災から100年—災害の記憶を未来に伝える—」へのアンチテーゼです。この展示では、100年の節目を迎えてもなお、朝鮮人虐殺について一言も言及していませんでした。そこで「百美+」は、あえて千葉県内の公的施設において美術展を行うこととしました。
日本の植民地主義及びレイシズムは今なお社会全体に根を張り続けています。日本政府は加害の歴史に一貫して向き合おうとしておらず、その姿勢は行政による朝鮮学校への高校無償化制度除外や補助金削減、官民問わず行われているヘイトスピーチなど現在の朝鮮人差別にも繋がっています。このような背景を認識しつつ、社会と人々に広く訴えかけ、より良い未来の創造に寄与することが芸術家たちの役割だとした上で、「百美+」は美術の力でこの課題と向き合っていきます。
呼びかけ人の宋明樺さん(33)は今年1月、編集部の取材に対して「学習会やフィールドワークの過程から美術活動と捉えている。公の場で扱われなかった朝鮮人虐殺に美術を通じて向き合うために、みんなで考えながら展示を作っていきたい」と語っていた。
以前、WEBで紹介した美術展の実現に向けたクラウドファンディングは、1ヵ月で163人が支援に参加(支援者総数)。開始当初の目標金額を越えてネクストゴールまで届き、支援総額は目標額の146%に達しており、同プロジェクトへの注目の高さが伺える。
美術を通して、「人災」の記憶に向き合おうとする次世代アーティストたちによる展示会。会期中はさまざまな催しが準備されているので、ぜひ足を運んでみていただきたい。(康哲誠)
イベント詳細は以下の通りです。
「〈101・人〉関東大震災から101年―人災の記憶を未来に伝える―」
日時:8月27日(火)〜9月1日(日) 10:00~18:00(金、土曜日は20:00まで/最終日は17:00まで)
場所:千葉市美術館 市民ギャラリー1.2(JR千葉駅徒歩15分)
観覧料:無料
会期中イベント:
●毎日開催〈追悼の花・レタースペース〉
〜「こぶしの木」に一緒に追悼の花を咲かせましょう。レタースペースでは、公権力による虐殺された朝鮮人への追悼文不送付や、千葉の朝鮮学校補助金削減などへの思いをはがきに綴り、会場内の緑のポストにいつでも投函できます!(こちらは後日実際に郵便します)
●8/29(木) 〈ワークショップ「蜜蠟版画で遊んでみよう!」〉
〜蜜蝋はミツバチの巣から作られます。柔らかなロウにあなたの名前を「ハングル」で彫ってみましょう。※11:00〜/13:00〜/15:00〜 各回5名ずつ、材料費300円/1名(作業中アイロンを使いますので自分で使える年齢以上でご参加ください)
★要予約
申込み:【Email】hyakubi.chiba@gmail.com、または@hyakubi.chiba へDMしてください
●8/31(土)
・「パフォーマンス① 판-고동-(パン(場)ー鼓動ー)」
〜ミョン|樺|ファにとって—もしかしたら、犠牲者にとっても—身近な楽器<チャンゴ>の音と、場にいる人たちの身体をuhiの語りがつなげながら、証言を残せなかった犠牲者の「証言」を想像する時間。※13:15頃〜(所要時間約10分)
・「パフォーマンス ② 土から証言を掘り起こす!?」
〜「こぶしの木」のもとで、土から証言を掘り起こす!?
虐殺された朝鮮人の遺骨は100年もの間、土の中に眠りその生も記憶も目には見えません。
みんなで土の中に埋まっている証言を掘り起こし、100年前に生きた人の言葉を見つけてみませんか?※13:30頃〜(所要時間約15分)
・「ミニflatフィールドワーク&スタンディング in千葉市美術館周辺」
〜「百美+」では今まで「日常とフィールドワークの境目をflatにする」という思いの元、flatフィールドワーク(fFW)というものを行なってきました。FWでは、千葉県の朝鮮人虐殺の現場に直接行きそこで行われたことを知る過程で、朝鮮人虐殺地が自分たちの生活スペースにあることを確認し、参加者それぞれが自分と朝鮮人虐殺の関係について深めてきました。千葉市美術館のすぐ近くの何気ない交差点の付近でも虐殺があったとの証言が残っています。みんなで現場に行き、スタンディングすることで道行く人たちにアピールしてみませんか?
★要予約(申込みはQRコードから)
●9/1(日)「アーティストトーク」
〜出品者が自身の作品について話します。作品に込められた思いをぜひ聞いてください。※15:30頃〜(所要時間約1時間)
主催:「百美+」
※最新情報はinstagramから