第五福竜丸を知っていますか
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先日、夢の島公園(東京都江東区)にある第五福竜丸展示館(以下、展示館)に行ってきた。
東京に住むようになって四十数年になるが、展示館に行くのは初めて。以前から気になっていた施設で、ようやく暑さも和らいできたので足を運んだ。
夢の島公園は地下鉄有楽町線、りんかい線、JR京葉線の新木場駅から5分ほど。しかし夢の島公園自体がだだっ広く、公園の中のどこに展示館がるのかよくわからなかったので到着するまでけっこう時間がかかってしまった。
入るとすぐに実物の第五福竜丸が展示されている。思っていたよりは少し小さかった。しかし迫力がある。スマホのカメラでは船全体を撮ることはできない。
日本のマグロ漁船だった第五福竜丸に起こった出来事について簡単に説明すると、1954年、太平洋のマーシャル諸島にあるビキニ環礁で操業中に、アメリカの水爆実験により被ばくした。
第五福竜丸には23人の乗組員がいて「死の灰」をあびたことで、被ばくによる重い症状が出た。日本にもどってから半年後、無線長の久保山愛吉さんが亡くなっている。
乗組員の病状についてや手記、マーシャル諸島の被災状況、核実験・核兵器反対運動の盛り上がりなど様々なことが展示されていた。
展示館の外には第五福竜丸のエンジンも置かれていた。
被ばくからちょうど70年ということで、山内若菜さんの絵画展「ふたつの太陽」が実施されていた。来年1月19日まで開催予定。
第五福竜丸がアメリカの水爆実験により被ばくしたということは知っていたが、博物館に足を運びより詳しく知ることができた。来てよかったと思った。しかも入場無料。
展示館を出た後、近くにあった夢の島熱帯植物館を見学した。ここはお金がかかる。大人が250円、65歳以上が120円、中学生は100円、小学生以下は無料となっている。
植物館も楽しく見学することができた。マレーシアの熱帯雨林に関する記録映画が上映されていた。
夢の島公園はゴミの埋め立て処分地に整備された面積43ヘクタールに及ぶ公園。第五福竜丸展示展示館、植物館以外にも野球場や陸上競技場などのスポーツ施設、マリーナ、バーベキュー広場やレストランなどがある。
とにかく広いので気分が良かった。
第五福竜丸展示館に行って帰ってきたその日、ネットに日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞決定のニュースが上がっていた(11日)。
こんな偶然もあるのかと驚かされた。(k)
※日本被団協のノーベル平和賞受賞に関連し16日、韓国の新聞・ハンギョレが〈ノーベル平和賞から抜け落ちた「朝鮮人被爆者」…「米国と日本は謝罪すべき」〉というニュースを配信している。
https://japan.hani.co.kr/arti/international/51363.html