東京にもあるハンセン病療養所
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多磨全生園内にある案内図
月刊イオ2月号の「KUM散歩」のコラムで、国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)のことを書いた。そこでも言及したが資料館は国立療養所多磨全生園の一角にある。
今日のブログでは東京都にある多磨全生園のことを写真と共に簡単に紹介したい。
ハンセン病の患者たちが入所する多磨全生園は1909年9月28日に創立された。
現在日本各地には14の療養所がある。それらすべての入所者は24年5月1日現在で720人。多磨全生園の入所者は94人で一番多い。
敷地面積は広大で35万3585平方メートルで東京ドーム7.5個分となる。

園内には様々な施設がある

居住区

面会人宿泊所
多磨全生園の中には様々な施設がある。入所者たちの居住区、面会人宿泊所、病棟、看護学校、保育園、売店・食堂、郵便などの福祉施設、野球場などなど。そして納骨堂や宗教施設などもある。
園の中で基本的な生活ができるように作られている。

売店と食堂

納骨堂
しかしハンセン病患者は差別され強制隔離された過去がある。
ハンセン病患者の訴えを国が認めたのはそれほど昔ではない。
「らい予防法」が廃止されたのは1996年のこと。ハンセン病回復者らが「らい予防法」は憲法違反だと国家賠償を求める裁判を起こし、原告の訴えを認める判決が熊本地裁から出されたのが2001年5月のことだ。
ハンセン病患者に対する偏見・差別はいまも続いているという指摘も多い。
ハンセン病のことを知るために、最初に書いた国立ハンセン病資料館はぜひ一度訪れてもらいたい施設だ。訪問した後、多磨全生園の散策もすればどうだろう。(k)