乳児と「食べること」について
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昨年6月に生まれた第二子。あっというまに生後8ヵ月が過ぎ、離乳食期まっただなか。おっぱいやミルクを「吸う」ことしかできなかった赤ちゃんも、どんどん成長し、「食べる」ことができるようになる。
真夏に放置されたアイスクリームのようになめらなかになったごはんや、親の敵を成敗するように徹底的にすりつぶされたトロトロの野菜のペーストをごっくんする段階から、上顎と舌を使ってもぐもぐして飲み込む、やがて歯茎でかみかみ―。食べ物の状態も、ほとんど液体から固形度が増していく。下顎の歯茎に白いものがちょこっと顔を出す程度で歯も生えていないのに、よくこんなに器用に食べられるものだと毎回感心する。
離乳食を始めた頃は、おっぱい(ミルク)をお預けにされたショックと、わけのわからない異物が口の中に侵入してきたことに戸惑うのか、少量食べてもらうだけでも一苦労だった。しかし、今は離乳食移行期の生活にもだいぶ慣れたように見える。目の前の食べ物を激しく求める乳児の姿を見るたびに、「食べる」という人間の原初的な欲求のあり方を考える。
体の大きさや歩行、睡眠、排便、言葉などこどもの成長を実感できる項目はいくつもあるが、乳児の段階でそれを一番感じるのは「食」だと個人的には思っている。
次男がもぐもぐしている隣で、夕食をとる5歳の長男。いつのまにか食事の介助がいらなくなっていた。(相)