誇りは何ですか?
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「記者としての誇りは何ですか?」
先日、とある朝高生からこのような質問を受けた。
もちろん答えはひとつ。
記者としての誇り、私の誇りは、在日同胞たちそして総聯活動家たちだ。
「朝鮮新報」が創刊されて今年で80周年。
そこから雑誌「イオ」が誕生し、来年には30周年を迎える。
どんなときも記者たちは、在日同胞たちとともにひた走ってきた。同胞たちと泣き、笑い、たくさんの記事を書いた。
私自身もそう。
常に同胞たちに学び、救われながら、時を重ねてきた。
それに、一人で取材現場に飛び込むことがほとんどだが、孤独な思いをしたことは一瞬もない。お腹を空かせたこともない。いつも隣に同胞たち、活動家たちがいたから。
それだけではない。
一世の時代から、まさに何もないところからともに助け合い、コミュニティを築き、ウリハッキョを建て、銀行も新聞社も創りあげ、今もずっと守り続けているーしかも、生きづらさがこんなにも蔓延る日本社会の中で。奇跡ではないか。
そのような歴史の端々を目撃し、同胞たちの息吹を肌で感じられるのが、この仕事の魅力だと思っている。
桜が咲いた。
節目の季節、新たな始まりの季節に、今は亡き恩師の言葉を改めて思い出している。
詩や小説が大好きだった私の、本の中しか見えなかった(!?)大学時代の私の背中を押してくれた恩師の言葉ー「現場に出なさい。本当の文学は同胞たちの中にある」。
その志に、少しは近づくことができただろうか。(鳳)