vol.12(最終回)想いが行き交う教室
筆者●呉明希先生(24、九州朝鮮初中高級学校) 毎週月曜の朝はきまって、休日の出来事やそこでの楽しい話をするのがルーティンになっている。 「昨日博物館に行ったんだ!」「私はハラボジ(祖父)、ハルモニ(祖母)のお家へ遊びに行ったよ!」など...
朝鮮学校で学び、成長する初級部1年生の子どもたちの姿を、現場の教員たちの目線から綴ってもらうエッセイ。ちょっとした事件、ほっこりした出来事、思いもよらない発見などさまざまなエピソードを絡めながら、1分1秒ごとに“조선사람”として育っていく様子を生き生きと紹介します。
広告
筆者●呉明希先生(24、九州朝鮮初中高級学校) 毎週月曜の朝はきまって、休日の出来事やそこでの楽しい話をするのがルーティンになっている。 「昨日博物館に行ったんだ!」「私はハラボジ(祖父)、ハルモニ(祖母)のお家へ遊びに行ったよ!」など...
筆者●呉明希先生(24、九州朝鮮初中高級学校) 今年度、初めて1年生を受け持った私。 1年生の生活は、初めての経験で溢れている。初めての授業に初めての学校行事…まさに初めてづくしの生活だ。右も左もわからなくても、子どもたちは何事にも真剣...
筆者●呉明希先生(24、九州朝鮮初中高級学校) ある日の休み時間、ひとりの女の子が「ソンセンニムの国語(朝鮮語)の教科書を貸してくださ~い」と言ってきた。まったく同じ教科書をもっているのに、わざわざ私の教科書で何をするのだろう。 「コマ...
筆者●金美蘭先生(27、和歌山朝鮮初中級学校 教員) 1年生の日本語授業で取り上げる「せんせい、あのね」。これは、子どもたちがソンセンニム(先生)に伝えたいことや自分の考え、気持ちを作文にすることを学ぶ授業である。毎年「せんせい、あのね」...
筆者●金美蘭先生(26、和歌山朝鮮初中級学校 教員) 涼しい教室で国語(朝鮮語)の授業をしている時だった。クーラーの風を浴びながら、子どもたちは思わず喜びの声を漏らす。「아야어여…あ~시원해(気持ちいい)~」「오요우유…あ~서늘해(涼しい...
筆者●金美蘭先生(26、和歌山朝鮮初中級学校 教員) ある日の授業中、ひらがなかるたを楽しんでいた1年生。負けん気の強い子どもたちは一つでも多くのかるたを取ろうと必死で、4人の手が重なると「わたしの! ぼくの!」とかるたが破れそうになるほ...
筆者●金美和先生(24、名古屋朝鮮初級学校 教員) 「1年生だからまだできないよね」「1年生だから難しいかな」—私はこうした言葉をあまり使わないようにしている。身体能力や学習範囲には年相応の段階があっても、生活習慣や考えの幅を広げることは...
筆者●金美和先生(24、名古屋朝鮮初級学校 教員) 1日の良し悪しはインサ(인사=あいさつ)から始まる。ソンセンニムに会えばその場で立ち止まり、頭を下げて「アンニョンハシムニカ」。トンムに手を振りながら「アンニョン」。聞いて欲しいことがた...
筆者●金美和先生(24、名古屋朝鮮初級学校 教員) 昨年4月、同校に赴任して2年目を迎えた私は、民族教育の出発点ともいえる1年生の担任を受け持つことになった。不安に駆られたが、入学式当日、緊張した面持ちで校門をくぐる1年生たちを見てふと思...
筆者●李香愛先生(41、西東京朝鮮第2初中級学校 教員) 1年生の担任になって、毎日欠かさず行ってきたことがある。絵本の読み聞かせだ。放課後、児童たちが下校する前に1冊。その数は150冊を超えた。 読む本は、くじ引きで当たった児童が選ぶ...
広告